半導体(Si,Ge,Sn)Valence band
Up to Install, Compile, Usage名古屋大学の長江と申します。
(不慣れで題名が中途半端なまま作成してしまいました。すみません)
今日お伺いしたいのは、IV族半導体のValence band端のスプリットについてです。
SiからSnにかけて、原子数が大きくなるにつれて、重い正孔バンドと軽い正孔ホールの2本のバンドのにスプリットしますが、計算結果はどのように計算してもそのようになりません(添付図面参照)。
kp摂動の効果でスプリットするものと理解しておりますが、これはPhase/0においてその効果が計算されていないといことでしょうか。
このような経験のおありの方に、ぜひご教授をお願いいたしたく存じます。
ちなみに本計算で計算している例は、Phase/0(ver.3)で、GGAPBEを用いたPAW計算に、対してHubbard補正(+U)をかけた計算を行っております。
これらの補正なしで計算してもValence band端は縮退したままでした。
よろしくお願いいたします。
回答が遅くなり申し訳ありません。
正孔バンドのΓ点のでスプリットはスピン軌道相互作用の寄与に
因るもので、重い原子ほどその効果は大きくなりスプリット幅が
広がります。
PHASE/0による通常の計算ではスピン軌道相互作用は考慮されて
いないのでこれらのバンドのスプリットは現れません。
PHASE/0では設定によりスピン軌道相互作用を考慮した計算が
可能です(マニュアル第5.7節参照のこと)。
scf, バンド計算ともに以下の設定を入力ファイルに追加すれば
計算出来ます。
accuracy{
paw = on
spinorbit{
mode = pawpot
}
}
structure{
magnetic_state = noncollinear
}
以上の設定を加えて再度試して頂けないでしょうか?
よろしくお願いいたします。
奈良