: 単位胞の表示方法の変更
: 単位胞
: 単位胞
目次
PHASEは単位胞を基本格子でもブラベー格子でも入力することが可能ですが, ブラベー格子の場合, センタリングに由来する副格子の原子は取り除いてある必要があります. 他方, 第 8.4節で説明したCIFから原子配置を
取り込む場合は副格子も含んだブラベー格子として取り込まれます. そこで, 副格子点に位置する原子を削除する必要があります.
また, たとえばPHASEが出力する電荷密度ファイルは入力をブラベー格子で入力していても基本格子を元に出力されますが, ブラベー格子で可視化した方が分かりやすい場合もあるでしょう.
逆にあるブラベー格子を基本格子に変換した様子を見たい場合もあると思われます. このような状況に対応するため, 原子配置ビューアーには基本格子とブラベー格子を相互変換する機能が備わっています. ここではこの機能の利用方法を説明します.
基本格子とブラベー格子の相互変換を行うためには, まず図 8.32を表示している状態にします. このGUIの各領域の利用方法は以下の通りです.
- ``unit cell type'': このリストから基本格子とブラベー格子を切り替えることができます. 図 8.34に, 閃亜鉛型構造のガリウム砒素結晶を, ブラベー格子から基本格子に変換した例を図示します.
図 8.34:
GaAs結晶を, ブラベー格子から基本格子へ変換している様子.
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- ``primitive cell'': ブラベー表示の際, このボタンを押しこんだ状態にしておくと対応する基本格子を描画することができます. 図 8.34左側ののブラベー格子表示のGaAs結晶に基本格子も同時に描画した様子を図 8.35に図示します.
図 8.35:
ブラベー格子に基本格子を描画している例.
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- ``crystal system'': 系の結晶系を表示します.
- ``lattice system'': センタリングの方法を選択することができます. ただし起動時に自動的に判定されるので, 通常変更する必要はありません.
- ``sublattice atoms'': ``strip''ボタンをクリックすると, 副格子点上に位置する原子を削除することができます. また, ``draw''ボタンを押しこんだ状態にしておくと, 副格子点上の原子を描画します. ただしこの状態で呼び出し元に保存をしても副格子点上の原子は保存されません. あえて副格子点上の原子を保存する場合は, その隣の``save''というチェックボックスを有効にしておいてください.
例として, 図 8.36に体心正方格子をとるアナターゼ型のTiO
のブラベー格子から, 体心原子をstripボタンで取り除いている例を図示します.
図 8.36:
アナターゼ型のTiO
から体心原子を取り除いている様子.
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jkoga
平成22年4月27日