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: エネルギーの等高線 : 逆空間ビューアー : 点メッシュの作成   目次


フェルミ面

フェルミ面を描画するためには, まず第 9.3節にて説明されている手続きにしたがい計算を行う必要があります. 計算が終了した後, ekcalの結果解析画面(第5.2.5節)の, ``band''ビューを表示します. 今の場合, 図 9.5のような画面が得られます(スピンを考慮した計算の場合, さらに``up''と``down''タブで区切られた画面が得られます). 図 9.5に表示されている, ``reciprocal space''というリストには計算した各バンドのデータが表示されていますが, この内フェルミエネルギーを横切るバンドは 赤く表示されていますので, このバンドの固有値データを利用してフェルミ面を描くことになります.9.1. このデータを選択した状態で``ダブルクリック''を行うか, 右隣の``view''ボタンをクリックしてください. 図 9.1のような画面が得られます.

図 9.5: フェルミ面結果解析画面.
Image ekcal_results_band_fs

ここで, メニューから``Tools'' $ \rightarrow $``Fermi surface''と選択してください. 第8.12.1節にて説明した, ボリュームデータの等値面を作成するGUI, 図 8.42が得られます. 操作方法などは基本的に同じです. ただし既定の値がフェルミエネルギーになっていること, データの補間の方法が線形になっていること, などの違いがあります.

既定の値がフェルミエネルギーとなっているので, フェルミ面を描くのであればそのまま``apply''ないし``add''ボタンをクリックすればフェルミ面を描画することができます. 図 9.6に, 銅のフェルミ面を描画した例を図示します.

さらに, 複数のバンドがフェルミエネルギーを横切る場合は上記の``reciprocal space''リストには複数のバンドが赤く表示されますが, これらを全て選択し, ``view''ボタンをクリックすれば選択したデータすべてを読み込んだ状態で逆空間ビューアーが起動します. その場合, 第 8.12.1節にて説明したように, ``select data''というリストから望みのデータを選択すればそのデータに対する 等エネルギー面を描画することが可能です. 複数の等エネルギー面のプロパティーを変更する場合は, 電荷密度の場合と同様 ``select isosurface''リストから変更したい等エネルギー面を選択した後に作業を行ってください. 例として, マグネシウムのフェルミ面を描画した例を図 9.7に図示します.

図 9.6: 銅のフェルミ面を描画した例.
Image Cu_FS
図 9.7: マグネシウムのフェルミ面を描画した例.
Image Mg_FS



jkoga 平成22年4月27日